Jesus, Etc. - Wilco
洋楽インディーのプレイリストをかけていて、この曲が流れてきました。
Wilcoは音楽誌で見かけたことはありましたが、聴いたことはありませんでした。
ゆるさとカッコよさが共生してます。
Jesus, don't cry
You can rely on me, honey
You can combine anything you want
'Jesus'って日本人にはどういうときに使っているのかよく分かりません。
ポジティブな場面でもネガティブな場面でも使われるようですが、ここでは神様に呼び掛けるように歌っています。
「頼っていいんだよ」なんて神様に投げかける言葉としては違和感が残りますから、僕は悲しみに暮れる誰かへの歌と捉えています。
Tall buildings shake
Voices escape singing sad , sad songs
Voices whine, skyscrapers are scraping
「高いビルがゆれる、歌声は悲しい響き」
「泣き声が聞こえて摩天楼が崩れていく」
この曲が収録されたアルバムがリリースされたのは、2002年ですが、当初のリリース予定日は2001年9月11日だったらしいです。
背筋がゾッとしますよね。
シンプソンズの絵でも予言されていたりして陰謀論が囁かれる9.11ですが、本当に何か裏があると思えてなりません。
同アルバム収録の"War on war"では「負ける必要がある」という歌詞もあり、社会に対するメッセージも歌にこもっています。
こうなるとなんだか物哀しいメロディに聞こえてきます。
Bitter melodies turning your orbit around
「苦いメロディが君の人生を変えてしまうんだ」
9.11関連で無ければポジティブに捉えても大丈夫なラインですが、あのテロを経験した人の心に残る傷は決して良い方には転がりはしないでしょう。
実はこの曲、Norah Jonesがカバーしたことでも知られます。
決して楽しそうな演奏ではありません。
噛みしめるようにして歌っているようです。
師走ってやっぱり何かと忙しいです。
カモン年末!
Skinney Love - Bon Iver
北欧やカナダの森のなかを思い浮かべる温度感。
そう思ってBon Iverの曲を聴くのですが、本当に山小屋に籠って音楽制作をしていた頃があったらしい。
繊細で静かな、そしてなにより綺麗な音楽ですよね。
でも情熱的でもある。
Skinny Love(やせこけた愛)というタイトルからもわかるように、息も絶え絶えな恋愛を歌っています。
もう後戻りはできないとわかっていて、それでも祈るようにして歌っているような気がして胸が切なくなります。
I told you to be patient
I told you to be fine
And I told you to be balanced
And I told you to be kind
なにもかも求めすぎてしまったのでしょうか。
完璧な人などこの世にいないし、自分が求める理想を完全に満たすパートナーもこの世にはそうそういるものではありません。
それでも二人の行く先を真剣に考えれば考えるほど、多くを求め、結局全てを壊してしまう。
Bon Iverの繊細な声が本当に切ないです。
In the morning I’ll be with you
But it will be a different kind
andymoriの「兄弟」で「何もない朝に君を見つけたいんだ」とは対照的な歌詞だなと思いました。
朝起きて、隣に寝ている恋人をみて、もう二人の愛は良くない方向へ傾いているのだと気づいてしまうのですから。
なにかとandymoriの歌詞に結び付けるのは僕のクセです…。
例によって凄くいい歌詞の和訳があったのでご紹介。
Van Morrisonの"Moondance"とミスチルの「my sweet heart」
Moondanceを初めて聴いた時、「あれどこかで聴いたことある気がする!」と思いました。
月繋がりでミスチルの『B-SIDE』収録の「妄想満月」かなと思いましたが、全然違う曲調でした。
でもその後すぐに答えは見つかりました。
同じアルバム内の「my sweet heart」という曲。
音楽専門家からしたらコードとか全然違うかもしれませんが、なんとなく似ているような気がする2曲。
リズムはおんなじ感じだし、ちょっと洒落た雰囲気が似ています。
恋愛を歌っているという点は間違いなく同じはずです。
何度も聴き直しますが、脳が一度思い込んだら頑固なので余計似てる気がします。
とくに曲の始まりらへんは2曲で似た雰囲気があると思います。
ミスチルは終始甘く囁く感じですが、ヴァン・モリソンのほうは「Can I~」のところで結構声を張り上げてます。
桜井さんは洋楽も上手いこと自分の曲に落とし込んでるイメージがあるのでこの曲ももしかしたら"Moondance"のインスパイアを受けたのかななんて妄想しました。
「my sweet heart」はミスチルのなかでは、かなりマイナーですが、『B-SIDE』は隠れた名曲ぞろいなのでおすすめです。「これシングル曲でしょw」って思うような曲もあります。
「ひびき」とかね…。
Winter Wonderland - Richard Himber
この曲は色んなカバーがありすぎて、オリジナルがどれなのか全然知らないで聴いていました。
ちなみに作詞はリチャード・スミス、作曲はフェリックス・バーナードという方です。
すでにクリスマスの気配が街に溢れつつあるのでこの曲を一年ぶりに再生しました。
僕の大好きなこの曲のカバーを紹介していきます。
まずはソウル歌手のアレサ・フランクリン。近所のカレー屋さんで見つけた人です。
すごく楽しそうな雰囲気。
続いてビング・クロスビーです。
どちらかというと原曲に近いような渋い仕上がりのカバーです。
原曲もそうですけどホームアローン2のおもちゃ屋さんでかかってそうな曲です。
うろ覚えですけど、雑多でワイワイした雰囲気がクリスマスらしくていいですよね。
そして日本からはPredawn!
このカバーは可愛らしいです。
Predawnのアルバムではなく、コンピレーションアルバムに収録されています。
師走はなんだかんだで忙しいですが、あと少し頑張りましょう…
A la Faveur de l'Automne - TeTe
少し哀愁を感じる曲です。
以前もこちらで取り上げたフレンチポップミュージシャンのTeTe。
この曲は彼が一躍有名になるきっかけになった曲なんだそう。
TeTeの声はなんだか心に染みます。
ソウルフルな歌声と言えばいいのでしょうか。
フランス語の語感も個人的に大好きです。
曲の題名の意味は「秋がやってきたから」。
こちらの方のブログに素晴らしい和訳があったので是非。
途中に「メランコリー」と聞こえていたので、なんとなく想像していましたが、「秋の甘くも憂鬱な恋」を歌った曲のようです。
秋がやってきたから
君が僕の憂鬱に
ジュークボックスの色彩を与えてくれる
「君がいないこの部屋じゃジュークボックスはただの置物で、僕の心とジュークボックスに色を加えてくれるのは君だけなんだ」という感じ。
ジュークボックスは古い観光地でたまーに見かけますが、動いてるところをみたことがありません。
この単語自体がエモさを帯びているイメージがあります。
たとえばandymoriの「ネバーランド」には「錆びたジュークボックスを囲んで」という歌詞があります。この単語自体が昔を思い浮かべさせるノスタルジーワードなわけです。
もう秋は終わってしまいましたが、モノトーンの冬にもこの曲はピッタリなはず。TeTeの歌声にシンパシーを感じながらトボトボ散歩したり。
最後にライブ映像も。
そのままアイコンになりそうな、すごく愛着の湧くルックスです。
ドレッドヘアにあうなぁ。
お別れをいうから - 谷口貴洋
谷口貴洋は小山田壮平が中心となって設立したレーベルのSparkling Recordsに所属するシンガーソングライターです。
暖かいアルペジオと優しい歌声に癒されます。
人恋しの冬。
今はいつでも君に会える
でもいずれは灰になる
死んでしまうことを「火葬されて灰になる」と言い換えているのでしょうか。
斬新というか生々しいというか。
初めて聴くときはドキッとしました。
属性として長澤知之に似たものを感じます。
どんなに大切な人も絶対に死ぬ。自分もいつか死ぬ。
宇宙の運命であり、頭の片隅においてその事実を受け止める。
死への自覚はとても大事だと思います。
月で会いましょう
宇宙で会いましょう
公園で会いましょう
急にスケールが落ちるのが面白い。
もし会えなくなっても形を変えて、場所を変えて。
「お別れをいうから」は倒置でしょうか。
きちんとお別れをいって、そしてまたいつか。
この宇宙で。夢の中でも。
少し寂しいけど、お別れに対しての向き合い方としてすごくいい。好きです。
Two of Us - The Beatles
家路が長く険しく感じるこの頃。
この曲の前進感をお供にすれば、帰り道が少し楽しい。
ビートルズの曲でとてもお気に入りの曲です。
バンドの終末期にポールにより作られた曲で、その掴みどころのない意味深な歌詞は単にわだかまりがあるカップルの歌とも、別れゆくポールとジョンについての歌ともとれます。
You and I have memories
longer than the road that stretches out ahead
こんな歌詞をラストアルバムで歌われたらファンは泣いてしまいます。
「目の前に伸びている道よりも長い」という表現はすごい含みがあるように感じます。
これからバンドが終わり、各々が歩む道はこれまで歩んできた道のりを超えるものになるだろうか。そんな憂いのようなものを感じてしまいます。
そういう背景を抜きにしないと寂しく感じてしまうので聴くときはメロディーに身を任せてのびのび聴きます。
この曲の名カバーは勿論これでしょう。
結構有名なカバーだと思います。
男女が歌うとまた少し雰囲気が変わります。
本格的にラブソングの様相を示してきます。
仲のいいカップル。
2人でスーパーに買い物に行って、食材買って。
「さぁ、家に帰ってご馳走作るぞ」って感じ。
いいゆるさ。
寛さんのベースがめっちゃ聞こえます。
やっぱり寛さんのベース大好きだ。
小山田さんと歌っているのは誰でしょう…。
谷口さんか、はたまた岡山さんか。