Life Is Party

NEW MUSIC , NEW LIFE

ビールとプリン ~ 電話 - レミオロメン

 

ひょんなことからレミオロメンを思い出して、一日中聴いていました。

改めて凄いバンドだと痛感しました。

 

僕が彼らの音楽を一番聴いていたのは中3のころでした。

兄のお下がりのiPodレミオロメンベストが入っていたのが聴くきっかけでした。

 

懐かしすぎて悶えます。

特に好きだったのがこの2曲。


 

 



こんなに切ない曲を他に知りません。

 

ベストアルバムでは「電話」のすぐあとに「ビールとプリン」が収録されていますが、オリジナルアルバムでの曲順は「ビールとプリン」が先で、「電話」が後に収録されています。

 

歌詞からして「ビールとプリン」のアフターストーリーこそが「電話」であるのはおそらく間違いないのです。

あくまで勝手な解釈ですが。

 

まずは「ビールとプリン」の歌詞から。

 

僕は袋からビールとプリンを取り出して

プリンを机に置きました

空き缶を片付けない僕のことを

君はまだ怒っているだろうか         ビールとプリン

 

僕がビールの空き缶をいつも片付けないのを、彼女が遂に本気で怒った。

それはつい昨日のことで、今日家を出ていくときも少し不機嫌なままだった。

そのことが少し気がかりなので彼女の好物のプリンでも買っていこう。

 

こんなやりとりでしょうか。

 

「どうして買ってくるの」と笑いながら

「太っても私のせいじゃないわ」と

言ってるそばから蓋を開けている

その横でビールをただ飲んでいるだけ     ビールとプリン

 

ご機嫌伺いはどうやら成功したみたいです。

プリンはきっと彼女の大好物。

それとも「僕」の気にしすぎだっただけか。

 

飲んでいる「だけ」という言葉が後に続く歌詞の切なさを助長します。

 

1番と2番のサビ。

僕らはいつまでも 僕らはいつまでも

笑い合っていたいと願うけれど

旅立つ日が来るならば せめてこの時間よ

止まれとは言わないよ ゆっくり進め     ビールとプリン

僕らはいつまでも 僕らはいつまでも

些細な争いをできるんだろうか

旅立つ日が迫って 寂しさ胸の奥へ

追いやろうとお互いは無理をするけど      ビールとプリン

 

ただの日常がいつかは手の届かないものになってしまう。

「時よ、止まれ」ではなくて「せめて、ゆっくり進め」です。

時間が止まった空間じゃ意味がないし、本来「ゆっくり進め」という方が正しい。

 

「せめて」というのはもう別れを知っているからこその表現。

この別れは「死別」とも「物理的な別れ」ともとれると思います。

 

 

そして「電話」。タイトルが示すように電話が二人の逢瀬となってしまったのです。

 こんなに暑い日が続いてる

元気でいるかい 心配さ

僕は相変わらずだよ              電話

 

「ビールとプリン」の季節は「手足の先がかじかむ」とあるように冬です。

「電話」の季節は夏です。

 

冬を越え、春になり、二人は離れた。

電話で繋がる日々が続いている。

 

違う季節で歌われる2曲って、つまりこういうことだと思うんです。

 

闇深く心細く  それでも光射し

泣いたり笑ったりさ 別の街に暮らす君よ

寄り添ってやれないが 僕はここにいる       電話

 

「ビールとプリン」を聴いたあと、この曲を聴くと本当に寂しい。

一人暮らしが聴いていい2曲じゃないです。

 

夜が、本当に、心細くってしまいます。

小説を読んでいる気分です。

 

 

でもいい歌。