majority blue - チャットモンチー
MVがかなり意味不明ですが、歌詞にしっかりと耳を傾けるとチャットモンチーがミュージシャンとしてどんなふうに20数年の時間を駆けぬけていったのか、ぼんやりと見えてきます。
自転車で30分 薄暗い道
ライブハウスは思ったより狭かった
帰り道は40分 ヘッドライトのなか
初めての耳鳴りが不安だった
これは恐らく高校時代。
ボーカルのえっちゃんは高校時代からチャットモンチーとして活動していました。
ライブハウスの初めてのステージに立ち、人に自分の音楽を聴いてもらうのは楽しみでもあり、不安なことでもあると思います。
自分が大好きなアーティスト達が公演するような会場と違って、想像以上に狭くて、お客さんが近くて。
そしてライブハウスの轟音にやられたのか、耳鳴りがする。
確かに不安になります。初めてはなんでも怖い。
この歌詞と関係があるかは分かりませんが、『耳鳴り』は大好きなアルバムです。
my majority
みんなと同じものが欲しい
だけどmajority minority
みんなと違うものも欲しい
これもきっと高校時代と駆け出しの頃。
高校時代のメンバーは大学進学などで別れてしまいました。
自分は音楽の道で生きていくと決心することがどれだけ勇気がいることか。
「みんなと違うもの」こそ、チャットモンチーが得たものなんだろうと思います。
本当にすごい人たちです。
飛行機で70分 空の旅
東京は思ったより近かった
右も左もわからない
前しか見えない
徳島は思ったより遠かった
当時の心理を距離や時間を織り交ぜて上手に表現してるなぁと思います。
たしかに四国といえど、飛行機を使えば東京はすぐ行けちゃいます。
たどり着いたはいいが、先は見えない。
「君たちみたいなバンドは五万といるよ」なんて言われたこともあるらしい。
「前しか見えない」から必死に突っ走るしかなかった。
「上京したからには、打ちのめされて何もできずに実家に戻るのは御免だ」という気持ちもあったと思います。
飛行機で70分で帰ることはできても、心理的には徳島は遥か遠くにある場所だったのでしょう。
まだ見ぬ私へ
あなたを作るのわたしだけ
この2行から感じる強い覚悟。
泣き言を垂れたいときがあっても、結局頼ることができるのは自分。
こんな時期があっえこそのチャットモンチーなんだと感慨深い気持ちになります。
時期外れも甚だしいですが、チャットモンチーお疲れ様でした。