至上の人生 - 椎名林檎
椎名林檎の歌の世界観とか、奇才っぽさ(実際に奇才)って最初は敬遠してしまう人は結構いると思うのですが、僕もそうでした。
当時中学生の僕には、歌いかたと立ち振る舞いが色っぽくて刺激が強すぎて何かいけないものを見てるような気がしたのも、あまり聴いてこなかった理由の一つです。(笑)
「OO妻」というドラマのオファーを受けて作られたこの曲。
高校生になった僕は思いました。
カッコよすぎるな、と。
逆らえぬ抗力 ±0まで
お互いに引き合えば
すべてがあってなんもない二人
「至上の人生」というスケールの大きなタイトルのとおり、「上り詰めたその先にある人生」みたいなものを歌っている気がします。
何処まで行っても、何処まで行っても。
最後の一行なんて意味深。
どんなにお金を稼いでも、どんな名声を手に入れても虚しい。
そんな小説の主人公みたいな。
椎名林檎って「歌舞伎町の女王」や「丸の内サディスティック」とか。
描き出す人物像と世界観は椎名林檎がいかに勉強熱心か関心させられます。
私は生きている 愛してる
このあえかな実感よ 続いて
これ以上は決して望んでいない
「あえか」なんて言葉、間違いなく人生で初めて聞きました。
「美しくか弱げなさま、はかなげなさま」という意味。
行くとこまで行った末に見つけた、本当に大切なもの。
それが「生の実感」と「愛」だったと。
このメロディあっての、この歌詞なのか。
はたまた逆か。
すごい調和具合。
完成度高すぎる極上の世界観です。