瞬間 - 王舟
王舟の唯一のダンスナンバーなんじゃないでしょうか。
いつでもそうやって意味のないこと話して
お互いの距離を近づけていたいよ
王舟の書く日本語詞は、ネイティブでないからこその、味のある暖かみを感じることができます。
彼の曲は英語詞が多いのですが、日本語詞で書かれた「とうもろこし畑」とか「あいがあって」、「ディスコブラジル」は本当に独特の味があって大好きです。
表現しにくいんですが、「距離を近づけていたい」っていう表現みたいに、自分が使わないような言葉の組み合わせに気付かされることがあります。
細かい文法や言葉の慣例的な縛りに囚われないからこその表現の自由さがいいんですよね。
すぐにまたほら 朝がのぼるから
今日は何処へ行くの
何をしてるの
ここでも「陽がのぼる」ではなく「朝がのぼる」。
「すぐにまたほら」ていう表現もなんだか絶妙にネイティブの日本人が使わない表現で面白い。
目が覚めたから
全ては夢に消えた
明け方から僕はそわそわしてる
「そわそわ」か、、
こんなにカッコイイ曲だけど可愛い。
「目が覚めた」という歌詞とか、曲の華やかさがこの曲の刹那的な儚さに通じるなぁ、と思います。
上手く表現できないのですが、凄く楽しい曲なんだけど、瞬間を生きることとか、一瞬一瞬が通り過ぎて行く儚さも同時に感じます。
太陽がのぼる
太陽がのぼる
朝が来る
ぼーっと気が狂う
王舟が「気が狂う」っていう気持ちも何となくわかります。
瞬間を生きている生の実感とともに、命を燃やしてるという感覚もある。
一日が終わって朝が来れば、昨日のことはもう不可逆の場所にあって、戻れない夢の世界のよう。
mmmの底抜けに明るいコーラスも楽しいひと時とその儚さを思わせます。
とにかくこの曲は聴いてて滅茶苦茶楽しいのに、同時にセンチメンタルな気分にもなる不思議な曲なんです。
余談ですが、この会場めちゃくちゃ素敵ですよね。
大阪千日前の味園ユニバースというんですが、元はグランドキャバレーだったところなんです。電飾が煌びやかで他のライブ会場とは一味違うド派手な空間です。
大阪に三年と少しいますが、未だに味園ユニバースに行く機会が巡ってきません。
はやくこの空間に行ってみたい。