角部屋 - 折坂悠太
まず、このメロディアスなギターに拍手を贈りたいです。
「角部屋」は歌詞も好きだけど、この楽しいような、そしてどこか切ないようなメロディーが大好きです。
それにこの曲、音源ではコンガの音が録音されていて、それがまた良い役割を果たしているいます。
もちろん、コンガを叩くのもオーリーです。
すごい。
『あけぼの』にいたっては、ドラム、コンガ、ピアニカ、摺鉦(すりがね)、手摺鉦、鉄琴、さらには録音、ミックス、マスタリングまでこなす宅録ぶり。
おいでよ 僕の角部屋に
忘れ物したふりをして
おいでよ 僕の角部屋に
終電逃したふりをして
この曲の可愛らしいところ。
「したふり」の内容まで妄想してしまう主人公。
はたから見たら痛い奴だけど、歌にしたら可愛らしいじゃないですか。
それだけ来てほしいんだ。
ミート イズ マーダー聴きながら
震えて待つよ
歌詞カードには片仮名で「ミート イズ マーダー」と表記されていましたが、これはThe Smithsの傑作『Meat Is Murder』のことみたいです。
表題曲をさすのか、アルバム全体を指すのかはわかりませんが、表題の通りメッセージ性が強く、暗いイメージのあるアルバムです。
このアルバムを聴きながら、「震えて待つ」主人公はアンダーグラウンドな気分に沈んでいて思い悩んでいる人なのかもしれません。
お寺の角で踏ん切りつかない僕ら
繋がる影を見てる
もう一つ歳をとろうよ
本当にこの歌詞大好きです。
「踏ん切りつかない」は、お互いに自分の気持ちを切り出せない、またはお互いの心のうちがわからず、もやもやしている状況を思わせます。
「繋がる影」が暗示するのは、覚悟を決めて一緒になることを選んだ二人の姿かもしれません。
このあとに「もう一つ歳をとろうよ」とあるので、多分そうじゃないでしょうか。
「大人になろうよ」と言っているとしか解釈できないです。
新聞広告に落書きしながら君は
戦争いくときは 触らせてあげるよと
そして僕はここにいて
君には触らない
「戦争」か、、、。
お寺の角の男女とか、昭和が舞台だったりするのだろうか。
「そして」、「触らない」というのが切ない。
届くけれど、「触らない」。
おいでよ
僕の角部屋に
震えて待つよ
「会いたくて震える」というニュアンスではないように思います。
二人の間には恋愛関係とも違うなにかを妄想してしまうのは考えすぎでしょうか。
ライブには三回足を運んでいますが、いまだにこの曲を聴いたことがないので、いつか、いつかは聴きたいものです。