あけぼの - 折坂悠太
2013年、この頃はまだ鉄弦ギターでの演奏です。
鉄弦とガットギターだとやっぱりオーリーはガットギターの音がすごく似合っていると思います。
このライブが人前で初めての演奏だったそう。
イントロのアルペジオがCD音源と少し違います。
「角部屋」然り、アルバム『あけぼの』はひっそりとした寂しさと人肌の素朴な温もりがこもったような一枚だと思います。
山並み あけぼの
手紙一つもよこさずに
今日になって 急に会いたくなった と
この歌は少し切ない恋の歌です。
幼馴染みたいな二人を想像します。
恋仲ではないけれどお互いのことを思い合っている。
手紙を送り合う関係は少し特別な関係だと思いますし。
熱燗 吸い殻
煙の奥の瞬きが
今日になって 急に恋しくなった と
恋の歌でもあり、冬の歌でもあります。
2人の中が冬の状態にある暗示でもあるのかな、なんて思いました。
明くる日のナイトメア ナイトメアに
君の後ろ髪が
振り向かず わかってる わかってる
オーリー横文字を使うと、メリハリができていいですよね。
古風な言葉に混ざる横文字は良いアクセントになっているなと思います。
「君」が去っていくのを何も出来ずに見送る。
「わかってる、わかってる」と自分に言い聞かせるような。
切ない、何度聞いても切ない。
溶け出す春の音するよ
今日になって やっと会いたくなった と
なんだか雪国を思わせます。
冬の終わりが近づいて、雪解け水が川を流れ始める。
春の訪れとともにあの人が帰ってくる。
冬におすすめの一曲です。