道 - 折坂悠太
祝!CDショップ大賞受賞。
僕の一番好きな折坂悠太の歌はこの曲です。
この曲ほど散歩や旅中の歩きが捗る曲は僕が知る限りありません。
MVがひたすら歩き回っている作品なので、歩いていると自分がMVの主人公になったみたいで楽しくなります。
曲の中で繰り返されるこれらのフレーズ。
さびしいところ なんにもないところ
ゆけどゆけども なんにもないところ
MVでは一回目のサビで東京の渋谷を歩くシーンがあります。
僕も東京に行ったときにこの曲を聴きながら渋谷を歩いてみました。
そして僕は勝手にこのサビがうたう場所はまさに東京のことなんだと解釈しました。
東京は人であふれかえっているくせに、みんな何かに忙しなくて大都会特有のさびしさを感じる場所でした。
沢山のものと人で溢れかえってはいるのだけれど、すごく無機質で。
虚無感を感じてしまうような。
しかしこの歌が東京のさびしさを歌っているかと言えばそれは違うような気がします。
正解はわかりません。
所々で顔を出す折坂節も最高です。
疫病も豊穣も買って ビニール袋に閉じた
「不幸も幸も一緒に連れ出して歩いて行こう」って感じ
蚊柱輝く路肩 二輪挿し学童注意
蚊柱なんて言葉はじめて知りました。歩いていて目についた、なんでもないものを切り取ってるんでしょうが切り取るものにセンスを感じます。
オーリーの切り取る日常にはよく日本らしいものが出てきます。
『犬ふぐり』に出てくる「薬屋のカエル」とか。
折坂節最高です。
この曲が収録されているアルバム『たむけ』もCDショップ大賞に値する作品だと思います。
ここまで傑作しかリリースしていないオーリー。
早くも新作が楽しみです。