Life Is Party

NEW MUSIC , NEW LIFE

光 - 折坂悠太

 




アルバム『平成』のなかでもとても特別な曲のように思います。

「take13」、「さびしさ」、「光」の最後の3曲は本当に大好きな流れです。

「光」という名を冠したこの曲は、『平成』を静かに締めくくります。

本当に美しい、綺麗な曲です。

 

このゲートを潜るとき 振り向けど 

私がいたことを誰も知らず

眠りつくは 持て余す暗闇を

あなたと抱きしめた そんな事も


この歌詞は「死」について歌っているような気がします。

「死」という重いテーマを『平成』というアルバムの最後の曲に持ってくるのは、平成の時代が大災害の年だったことや、凄惨な事件の数々が理由でしょうか。

 

「死」は「暗闇」?。

ならば「光」は「生きること」でしょうか。

 

ありえない そう思ったあの時

来るはずない そう思った この街で

夢は覚めて 街灯りが君を連れていく

この手に何も 残さず遠ざかる

 
「この街」とはどこのことでしょうか。

普通に考えて「東京」?

 

「街灯りが君を連れていく」というラインはチャップリンの「街の灯」を思い浮かべさせます。
文明の象徴ともとれる「街灯り」が煌々と灯る街である東京。

 

この築き上げてきた文明も、その繁栄が原因で滅びるであろうと言っているのでしょうか。


この考えだと滅茶苦茶ネガティブな歌ということになってしまいます。

完全に考えすぎですね。(笑)

弧を描く ライトの点滅に読み取れた言葉は

「ねむれよ ねむれよ」

意味深。

 

「安らかに眠れ」ということでしょうか。

平成の時代に亡くなった命に向けて、レクイエム的な立ち位置の歌なのかもしれません。

夢は冷めて 街灯りが君を連れて行く

この手に何も 何も残さずに 光の点になる


歌詞カードでは「覚めて」ではなく、「冷めて」となっていました。

 

先ほどの「夢」が夢現の「夢」だとしたらこちらの「夢」は願望の意味の「夢」なのでしょうか。

「熱いものの温度が下がる」という意味通りなら、夢への情熱が「冷めて」しまったということなのかもしれません。


今の時代について「楽観視していない」という折坂さん。

夢ではなく、現実を見据える。

 

 

ちょっと解釈が難しいですけど、祈り以上に覚悟の籠った歌なのかなと思います。