Life Is Party

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September - 竹内まりや

 

SEPTEMBER

SEPTEMBER

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九月と言えばこの曲です。

 

作詞は松本隆先生。

昭和歌謡でこの曲大好きだなぁって思ったら作詞者が松本隆さんだったってことよくあります。

 

からし色のシャツ追いながら

飛び乗った電車のドア

いけないと知りながら振り向けば隠れた

 

からし色」というチョイス。絶妙。

普段からし色って使ったことありますか?

人生で一度も使ったことがない色の名前でしたが、「あー、あの色ね」って瞬時に分かります。

 

からし色」はよく女性が着ているイメージですが、この歌では後に出てくる「年上の人」の男性が着ているみたい。

 

 

街は色づいて クレヨンが

涙まで染めて走る

年上の人に逢う約束と知ってて

 

松本さんは世界観を彩る天才です。

こんな風に鮮やかで、自然と笑みがこぼれるような詩を描けるのは松本さん。。

 

素敵すぎ。

でもまだ序の口で、凄いのはサビの歌詞。

 

セプテンバー そしてあなたは

セプテンバー 秋に変わった

夏の日差しが弱まるように

心に影が差した

セプテンバー そして九月は

セプテンバー さよならの国

ほどきかけてる

愛の結び目 涙が木の葉になる

 

秋の訪れとすれ違いに彼が去っていった。

このことを「あなたが 秋に変わった」と。

 

季節感と恋愛観の掛け合わせ。

聴くたび感心します。

個人的にこの曲の一番のパンチラインは「夏の日差しが弱まるように心に影が差した」です。

 

詩人ってこういう普遍な自然描写と心の機微をわざとらしくなく描けてしまう人なんだろうと思います。

 

そして二番の歌詞の「私一人が傷つくことが残されたやさしさね」はとんでもなく切ない。

こんな大人の恋を一度はしてみたい、かも。

 

こうして見直すとため息が漏れるほど素晴らしい歌です。

 

 

僕が結局のところ日本の音楽が大好きなのは、歌詞の微妙なニュアンスを理解して楽しむことができるのは母国語の日本語詞だけだからです。

もっと厳密に言えば、日本語ほど繊細に心情の描写が可能な言語はないだろうと思ってるからですが。

 

改めて僕は日本語が大好きだと思いました。