Life Is Party

NEW MUSIC , NEW LIFE

Sally - 秦基博

 


 

2015年発売の5thアルバム『青の光景』のラストトラック。

 

発売当時、GLOBAL WORKのCMソングに起用されていました。

そのCMが大好きで、この曲もフルver.が出るのを待ち望んでいました。

 

これがそのCMです。


 

「旅」が一つのテーマとなるような曲なので、旅に出たくて仕方がなかった高校時代のぼくはこのCMとこの歌が大好きでした。

 

CMのなかで読まれる詩もとても魅力的で。

旅にでる気持ちを駆り立てるものがあります。

 

新しい友達や風に出会うためだけじゃなくて

ここで生きていくことを確かめるために旅に出るの

いずれは旅を終えて帰るいつもの小さな部屋 

 

「旅にでることで自分の現在地を確かめる」という感覚はすごく共感できます。

旅という非日常のフィルターを通して、自分の普段の暮らしを顧みたとき、それまで抱えていた不安と迷いは意外にもどこかへ飛んでいく。

 

場所を変えるだけで俯瞰して普段の自分を考えることができるのも旅の魅力だと思います。

 

アドレスホッパーでもない限り、帰る家があって戻る日常があります。

当たり前で、ありがたいこと。

 

あなたは鳥になって 渡る

地球儀を見下ろす空

今はただ飛んで行け どこまでも

目一杯 羽根をひろげて

 

冒頭に出てくる「ミニチュアの街」や、「地球儀を見下ろす空」に見られるような飛行機の窓から地球を見下ろすような目線。

 

鳥になって、空高くから自分のいる場所を見下ろす。

日本史の教科書に鳥瞰図ってあったけど、まさにあんな風に。

 

そして今、このときはその場所を離れて「誰も知らない場所」まで行ってしまおう。

あと一歩踏み出せないとき、この曲は旅情を想い起させて旅に誘ってくれます。 

 

『青の光景』のなかでも一番好きな曲です。

茜 - 折坂悠太

 


 

ギター一本とその声だけで織りなすこの世界観よ。

いつ聴いても惚れ惚れします。

 

ピリッとした空気と悠然と流れる鴨川、そして折坂悠太。

この場に居合わせた人たちが羨ましい。

 

歌っているのは鴨川の東側の河川敷でしょうか。

となると太陽の位置からして夕方です。

 

「茜」という題名よろしく夕陽を背にしたナイスシチュエーション。

 

積もる話の山肌を

一つ語らず下っていく

 

 おもろい表現です。

 

積もる話は置き去りにしていっちゃうのか。

この曲をとおして主人公の「俺」は無口で硬派な印象をうけます。

 

 

消えぬ火種を連れてゆこうよ

くさい身体で出かけよう

共に過ごした夏の日よ

岩場の前よ

 

駆けずり回った夏の日々。

 

 「くさい身体」なんて夏の季語みたいなものですよ。

土と汗のにおいにまみれた少年の頃が懐かしい。

 

「岩場の前」はなにか思い出のある場所でしょうか。

友と語らい合った青春の景色が思い浮かぶ。

 

見慣れないものだけの朝

懐かしいものだけの夜

 

この歌で最も印象に残る歌詞。

「毎日変わり映えしないなぁ」なんて退屈な日々を送っている人はこんな歌詞を書きません。

 

朝、ドアを開けて外の世界に出て一日が始まり、見るもの聞くものは皆、新しい刺激。

夜には駆けた一日の記憶はもう自分の糧となっている。

 

こんな風に生きられたら素敵です。

 

茜色した俺のことを

思い出せるかい

 

かっこいいぜ。

小粋な口調が最高にハマる。

 

 

茜

  • 折坂悠太
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

原曲と鴨川ver.、どちらも大好きです。

 

Rock and Sing - Big Thief

 


 

個人的に好きなバンド名第一位のバンド、Big Thief。来年5月の来日が決定しています。

「大泥棒」の意味でいいのでしょうか。

 

名前からしてハートを鷲掴みにして奪っていくような音楽を奏でてくれそうなバンド。

カリオストロの城」でルパンがクラリスのハートを奪っていったみたいな粋な意味が込められてそうなので好きです。

 

余談はこの辺にして。

 

実はBig Thief を知ったのは前作の"U.F.O.F"から。

このアルバムは2019年の二作目のアルバムなわけです。

 

どんな速さで制作したらフルアルバムを年内に2作も発表できるんだ...。

 

 

今作は前作に比べてフォークさが増したのではと感じています。

(前作は霧がかった森を歩くような気分ですこし妖しげな雰囲気を帯びていました。)

 

この言葉が適しているかわからないけど、オーガニックな音楽でした。

あんまり特徴的なエフェクトを効かせていない気がしたからかも。

 

"Forgotten Eyes"は行進曲みたいなイメージですぐ好きになりました。

なによりボーカルの声が大好き。

 

お店のBGMとかラジオで偶々聴いたら思わず立ち止まるくらい魅力的で。

こういうのをフックのある声っていうのかなと思います。

 

 YouTubeにはないけどこの曲もお気に入りです。

Rock and Sing

Rock and Sing

  • provided courtesy of iTunes

 

ややドリーミーな感じで白昼夢へ誘うよう。

優しい。

 

インディゴ地平線 - スピッツ

 


 

スピッツのライブ抽選に当選して嬉しくなってスピッツを聴き返してるところです。

この曲はスピッツで3番目くらいに好きな曲。

 

イントロの何とも言えない全能感が最高。

 

歪みを消された 病んだ地獄の街を

切れそうなロープで やっと逃げ出す夜明け

寂しく長いみちを逸れて 

時を止めよう 骨だけの翼眠らせて 

 

1番のAメロも勿論好きなんですが、この曲の2番の歌詞の興味深さといったらない。

 

この4行が作り出す世界観はなんなんだ。

草野さんがファンタジー小説書いたらきっと面白い。

いや、絵本とかのほうがいいかも。

 

「骨だけの翼」とは何か。

最後の2行はなんだか「死」を連想してしまう。

 

「道を逸れる」は漂流するような、「時を止めよう」は時間の束縛から解放された世界(あの世?)へ行くような、そして「骨だけの翼」は風化いてボロボロになった肉体みたいな。

 

「ホントは怖いスピッツ」にこの曲も追加しよう。

 

逆風に向かい 手を広げて

壊れてみよう

僕たちは希望の屑だから

 

希望の屑ってスターダストみたいな言い方。

たまに草野さんが使う変な言葉がめちゃくちゃクセになる。

同じアルバム収録の「バニーガール」の「ゴミ袋で受け止めて」とか 狂おしいほど好きです。

 

凍りつきそうでも

泡にされようとも

君に見せたいのさ

あのブルー

 

「君に見せたい」っていう歌詞で気づいたことがあります。

それは、草野さんが今も変わらず「大好きな人と自分の大好きな景色やモノを共有したい」という気持ちを歌にしているということ。

 

最新アルバムの「優しいあの子」でも「優しいあの子にも教えたい」と歌っています。

 

旅先でみた心に残る景色や体験を大好きなあの人にも教えてあげたい、知らせてあげたい。

これって結構普遍的な気持ちで、僕も両親や祖父母にはいつも旅先の写真を見せてあげるのが楽しみです。

 

こういう気持ちはとても和む。

 

 

 

インディゴブルーの地平線って何処のことなんだろうか。

僕が思い浮かべたのは南米のほう。

 

荒涼としていて、前方には何も見えないような一本道。

エル・チャンテンの氷河を目指してひた走る途上。

 

MVのメンバーもみんな沢山服を着こんでいてそんな感じかなって。

いつか行ってみたいんですよ、アルゼンチン。

 

余談でした。

 

Watching The Wheels - John Lennon

 

 

 

ジョン・レノンという巨人を前にするといつもみたいに気になる歌詞を取り上げて和訳したり、解釈を試みたりという気にはなれない。

 

ネット上にある一般的な和訳に関して自分なりに「ここはそういう意味ではないんじゃないか」なんて思ったらその限りではないんですが。

ジョンのインタビューや彼の境遇を考えれば、この曲は大きな議論を巻き起こすような曲ではないと思います。

 

 

この方の記事がわかりやすいです。

 

この曲はジョンの死後に第二弾シングルとして発表されたそうです。

 

この曲がジョンが生きている間ではなく、この世からいなくなったあとでリリースされたというのが憎らしいというかなんというか。

僕が生まれてもない時のことだけど、もし当時を生きていて、尚且つジョンのファンだったらそう思うだろうなと。

 

I`m just sitting here watching the wheels go round and round

 

まるで遥か遠い宇宙の彼方、神様のいるところでこの歌詞の通りにずっと動き続ける車輪を見つめ続けているんじゃないかと思えてくるんです。

 

No longer riding on the merry-go-round
I just had to let it go

 

あとに続くこの歌詞ももういなくっってしまったことを聴く人に突き付けているような気にもなる。

「もう吹っ切れたんだ」なんて、この世界に未練はないんだって捨て台詞はいてるみたいで。

 

勿論真意は異なるだろうし、もっと生きていたかったはずだから、すごく失礼なこと書いてるのは承知してますが、そんな風に思えてしまうのです。

 

 

書いてて自分でも何が言いたいのかよくわからなかった…。

とにかく、この曲が大好きだし、いつかこの曲の意味するところがちゃんと自分の中にストンと落ちてくれたらいいなと思います。

 

 

そして、キリンジによるカバーがこちら。

 

坂本龍一キリンジ

絵面がすごいよ。

 

たぶん僕は泰行さんの英語の発音が好きなんです。

 

完全なネイティブではないけど、すごく上手で。

個人的になかなかクセになる歌い方で。

 

 

あとおまけみたいでQueenに申し訳ないですが、『オムニバス』収録の"Fat Bottomed Girls"のカバーも最高です。

 


こんな感じで歌われてるけど、歌詞は「お尻の大きな女の子を賛美する」というものであるというギャップ。

 

変態 × スウィートボイスの新境地です。

 

午後 - chelmico

 


 

この曲聴くとなんかの映画が頭のなかにボヤっと浮かぶのですが、思い出せない。

 

この曲の「テレ ↑ テレ ↓ テレ ↑ テレ ↓ ...」っていうリフレインに似たサントラが何かの映画にあった気がしてならないのです。

いつか思い出したい。

 

飲み干す 缶ジュースと

残る 少しの憂鬱と

回るレコード

あぁ もう午後

 

この曲は「夜更かしして、昼前に起きたときのテンション」と似た温度感があります。

 

ジュースがなくなる一方、憂鬱な気持ちを抱えたままの自分。

物質世界と精神世界を対比に使っています。

 

大量消費社会の現代における、消費しても満たされない心を自分の部屋の小さな世界で表現している、、のかも。

 

あと、「回るレコード」はクセになる。

 

誰かが作ったウィンドウから見える

色とりどりの緑がダンシング

 

この曲のラップパートで一番お気に入りのところです。

窓を「作った」って表現するのは不思議なセンスだし、緑がダンシングするという光景もイメージつかない。

緑という単色なのに、「色とりどり」だし。

 

かなり不思議な歌詞ですが、そのミステリアスな雰囲気がいい。

 

無くしたピアスは 今頃どこかのタクシー

 

なくしてしまったものが自分の知らない何処かで動き回っているのは少し不思議な感覚です。

電車に忘れた傘がすごい速さで地図の上を動いてる。

これが旅先だったりするとエモくなるんですよね。

 

自分のものだったものが、まだあの土地を旅しているみたいに思えて。

 

ほんの僅かさ

言葉にできる気持ちなんてないのかな

 

寂しげに、切なげに歌うのにキュンとなってしまいます。

でもよくよく聞いたら意味はわかりません。

でも切なげ。

同情したくなる。

 

終わり方もいいですよね、あっけなくて。

「そこで切っちゃうのか!」って、聴く側の気持ちをいい感じで焦らしてくるのがハマる。

心理戦で見事にしてやられてます。

 

Man We Was Lonely - Paul McCartney

 


 

邦題だと、「男はとっても寂しいもの」という曲です。

でもこの訳にケチをつけますと、「寂しい」と「孤独」は違うぞ、ということです。

 

 

 

人によっては「孤独」=「寂しい」ではないと思うので。

この歌の内容からしても、これを踏まえたうえで訳すとシックリ来ると思うのです。

たぶん。

 

Man we was lonely

Yes, we was lonely 

And we was hard pressed to find a smyle

 

「男はみんな淋しい、そう、寂しい生き物さ。笑うことも許されない。」

"pressed"っていう抑圧されたイメージが当てはまるのは「寂しい」という感情なのかなと思います。

 

「ボッチ」という呼称は無条件にネガティブな印象を与えるのは、ボッチが「寂しい奴」っていう意味を内包するような言葉だから。

ボッチと言われる身としては、「お前らは幸せになる権利がない」って言われてるような気がするものです。

 

これと同じことだよね。多分。

 

Man we was lonely

Yes, we was lonely 

But now were fine all the while

 

「男はみんな孤独さ、そう孤独。でも今は全てが順調だ。」

 

ここの部分になると「寂しい」という訳は不釣り合いだと思います。

寂しかったら順調な人生じゃないもの。

 

孤独の末に楽しみを見つけた人間は強いですよね。

誰にも邪魔されることなく、我が道を邁進することができるので。

 

それでこの極上の孤独にたどり着いた男をモデルにしたかのような曲が"Nowhrere Man"です。

 

 

"Nowhrere Man"はジョンによる曲で、「孤独なあいつ」をテーマに歌った歌です。

リリースはこちらが先なので、ポールがこの曲にインスパイアされて"Man We Was Lonely"を作ったのかな?とか妄想します。

 

ありふれたテーマでもあるので、関係ないかもしれませんが。