Life Is Party

NEW MUSIC , NEW LIFE

Gold Day - Sparklehorse

 


 

囁くような歌声が特徴的な Sparklehorse

マーク・リンカスによる事実上のソロプロジェクトであり、2010年に彼の自殺をもって活動は幕を閉じました。

 

鎮魂歌のように穏やかで優しい。

 

good morning my child
stay with me a while
you not got any place to be
won't you sit a spell with me

 

彼には奥さんも子供もいたようで、バージニア州リッチモンドで暮らしていたそう。

「mark lincous child」と調べると笑って抱き合う三人を移す写真がヒットします。

 

子供に宛てて書かれた曲と捉えてもよさそうです。

本当に幸せな光景が目に浮かぶ歌です。

暖かい陽だまりみたい。

 

it's time for you to rise
and evaporate in the sun
sometimes it can weigh a ton

 

「もう起きる時間だよ、陽の光を浴びよう。時には気が重い時もあるだろうけどさ」

 

ここ最近はこの曲が目覚ましになってくれてます。

ぶっきらぼうで心臓に悪いアラームよりこの曲に起こしてもらう方が何百倍も寝起きが良い。

 

keep all your crows away
hold skinny wolves at bay
in silver piles of smiles
may all your days be gold my child

 

 子供がこれから送るであろう輝かしい日々を祈るような歌詞。

 

一人の親として我が子の幸せを心から望む気持ちが伝わってきます。

 それだけに彼が息子を残して亡くなったことが虚しく思えて仕方がありません。

 

Birthday - くるり

 


 麗らかな風が吹く日でなくとも、木枯らし吹く毎日にもこの曲を聴きます。

コーラスのイノトモさんとのハーモニーが本当に素敵。

岸田さんは「ばらの花」でフルカワミキさんと、「さよならリグレット」では土岐麻子さんと一緒に歌っているし、ユーミンとも矢野顕子とも音楽制作をしています。

 

調べていて初めて知りましたが、ガッキーや木村カエラにも楽曲提供をしています。

なかなかのモテっぷり。

岸田さんすごい。

 

それとこのMVがいいんだ。

底抜けに明るい感じ。

 

君の生まれた日は

ずっとずっと先の

木枯らし吹く毎日の

ふっと晴れた日で

 

さっぶい毎日が続く中、「 あれ低気圧どこ行った?」ってなるような冬晴れの日あります。

 そんな日に生まれた「君」。

でもずっとずっと先?「僕の生まれた日」からみてずっと先ということなのか。

 

いつもどんな風に

あなたは大人になってく

 

 この節をみると、なんだか自分の子供にあてて書いてるような気もしてきます。

 岸田さんに子供がいるかは不明なので何とも言えないところですが。

 

恋人ではなくて誰かもっと大切な関係の人に宛てた歌のように思います。

 

目を閉じれば枯れ葉が春を呼ぶ

新しい世界を迎えることになる

 

少し前の歌詞に重ねる形で「君」を「春」に喩えています。

「僕」にとって「君」は何者にも代えがたい大切な人で、そんな人が生まれてきてくれたことを盛大に喜ぶような感じ。

 

「君が現れて僕の人生が変わった」みたいなことを岸田さんが歌うとこうなるってことだと思います。「世界を迎える」っていう受け身の表現も独特。

 

MVの嬉しい気持ち溢れんばかりのダンスがこの歌の歌い手の気持ちを象徴しているようです。

 

 

 

Galileo Galileiによるカバー。くるりファンの人も意外と知られていないような気がします。

 

このカバーでは女性の声のコーラスも再現されていますが

 

 

ちなみに同じ曲名でGGも歌を書いています。

 

この曲も大好きです。

 

一体僕は何になるんだろう

 

思春期の頃の大人になることへの抵抗感、恐怖。

そういうものと一緒に生を受けた喜びも歌っているように思います。

 

Almond Eyes feat.鎮座DOPENESS - KIRINJI

 


 

KIRINJIの新アルバム『cherish』がリリースされました。

 

キリンジからKIRINJIに生まれ変わってから「11」と「EXTRA 11」を除いて、どのアルバムでも新たにアーティストを迎えた曲を収録しています。

 

 

中でも鎮座DOPENESSを迎えて制作されたこの曲は「The Great Jouney feat.RHYMESTER」なみに痺れるトラックでした。

 

実験的で新鮮、すこしエロい。

ド下ネタの「The Great Jouney 」ほどではないですが、艶っぽさと色っぽさがあります。

 

堀込兄の音楽への追求に関する貪欲さに感服します。

 

まず声の相性が良すぎる。ところどころ聴こえる「ハッ」とか「ゲッ」とか「ハハハ」っていう鎮座の囁きがクセになります。

 

本当のことと 本当のことだけで・・・

我々は繋がってゆける

 

この曲で一番好きな歌詞です。

受け取り方次第で意味は変わってくる歌詞だと思います。

 

 

MV中では意味ありげに「本当のことだけで・・・」と表記されていて、どこか寂しげな感じ。

所詮、他人は他人であり、皆違う境遇を辿ってきたわけで、同じ感覚を共有しえないものです。僕はこの歌詞からその寄る辺なさを感じました。

「本当のこと」をつかむのがいかに難しいか、いかに不可能に近いかを悟ったうえでの歌詞なのかもしれません。

 

瞬きひとつ バタフライエフェクト

僕の感情に竜巻をおこして

 

バタフライエフェクト」というのは「蝶の羽ばたきがどこか遠くの場所で発生する竜巻の原因になりうる」というもの。

つまりごく小さな影響でもそれがあった場合となかった場合で結果は大きく異なるということ。

 

気象学者が提言した言葉に由来するもので、どちらかと言えば理系用語ですがスピリチュアルっぽい考え方もあってその界隈でも結構有名です。

まさかこの言葉を使ってくるとは!と個人的に驚きました。

 

ほほ笑んだ君のまなじりは

しとやかな獣の尻尾みたいだ

 

突っ込みたくなる奇抜すぎる喩えですが、高樹さんなのでスルー。

 

この曲もいつも通り歌詞が難解で、ややこしいですけど特に深い意味はないような気がします。

「ほほ笑んだ」のとこの高樹さんのボーカル好きすぎる。

鼓膜をいい感じに響かせてくる。

 

この曲で感じた艶っぽさってほとんど高樹さんのボーカルのせいだと気づきました。

 

Baby Once More - スーパーカー

 

Baby Once More

Baby Once More

  • provided courtesy of iTunes

 

こないだ『ピンポン』を久しぶりに見て、この曲に再会しました。

見るたびに不思議な気分にさせられる映画です。

 

劇中に使用されているスーパーカーの音楽もその世界観を成す一役を買っているはずです。

 

Get down everybody

 

この曲のイントロを聴くと頭が冴えるような気分になります。

 

この曲がかかるシーンはペコが再起への一歩を踏み出すところ。

「月にタッチするのなんてわけない」くらい、「I can fly !」って気分で全能感も欲しいがままです。

 

Baby baby baby once more

Baby baby baby once more ...

 

この歌詞がずっと続く訳ですが、全然退屈しない。

むしろ中毒的です。

 

 

How`m I gonna Get Back Home - He`s my brother She`s My Sister

 


 

楽しい音楽。

すごくキャッチ―で可愛らしい雰囲気。

 

このバンドはロバートとレイチェルの兄弟を中心に構成された5人組バンド。

 

 

タップダンスの音を取りいれているのも面白い。

 

メンバーがたまたまタップダンスするのを見て音を気に入ったために取り入れることにしたそう。

タップダンスをするローレンはドラムとダンスを両方こなす器用っぷりです。

 

Another drink, she's looking pretty now
My feet they stumble, will I'll be falling down?

 

ミュージックバーにいるんでしょうか。

お酒で気分ものってきて、音楽に合わせて体をゆらしてワイワイ楽しそう。

 

遅りながらチラチラ目が合う彼女といい感じになる、みたいなよく映画にあるシーンそのまま。

曲調のとおりのパーティーソング。

 

All of a sudden I feel like talking to everyone
But tell me where did my anxieties all go

 

かなり酔いが回ってるみたいで、「みんなに話しかけてる気分」だそう。

「僕の心配事はどこいっちまったんだろうな」と頭の中がお花畑。

 

このまま幸せになってほしい。

 

Am I a fool? I do not care or know
You see I'm just a product of this song

 

間違いなく fool 。

 

「この歌の産物」?

かかっている音楽にのせられてお酒を煽られて今の俺ができあがったぜ!みたいな。

 

 

酒場で流れてたらきっとお酒が進んでしまう曲です 。

 

A Case of You - Joni Mitcell

 

日本のアーティストでこの曲をカバーされてる方がいましたので加筆投稿です。

 

 

彼女の一番の有名曲 "Both Sides Now"で歌われる、哲学的で、人生を俯瞰してみる世界観には引き込まれました。

20代の若さでこの歌を書いたことがよく引き合いに出されますが、この若さだからこそ出来た曲なのかなと思います。

 

同じように人生について歌ったミスチルの「Tomorrow never knows」も桜井さんが20代の頃に生まれた曲ですし、天才というのは往々にして若き頃にとんでもない名曲を生み出す生き物なんですね。

 

 

前置きが長くなり過ぎましたが、今日取り上げる"A Case of You" はジョニ・ミッチェルの大好き曲です。 

 

A Case of You

A Case of You

  • provided courtesy of iTunes

 

Just before our love got lost, you said

"I am as constant as a nothern star"

And I said, "Constantly in the darkness

Where`s that at?

If you want me I`ll be in the bar"

 

別れた恋人を想う歌です。

彼と行っていたいつものバーにいて、一人お酒を飲んでいる。

 

別れたという表現はそぐわないかもしれません。

"got lost"だとあくまで「見失っている」状態で、わだかまりがあるせいでもう長いこと会えていない二人なのかもしれません。

いや、聴き手としてはそうであってほしい。

 

その辺は「北極星のように気持ちが揺るぎないんだ」っていうセリフの意味次第です。

 

別れる決心は揺るがないということなのか。

それとも彼は自分の目指すべきものがあってどこかへ行ってしまったのか。

 

 

I remember that time you told me you said

"Love is touching souls"

Surely you touched mine

'Cause part of you pours out of me

In these lines from time to time

 

「愛とは魂のふれあい」という彼に対し、「確かにあなたは私の魂に触れたわ、だってあなたの一部が私のなかにみちているもの。」と、、、。

 

なんてロマンチックなんだ。

そして切ない。

 

胸が締め付けられるような切なさですが、それでも綺麗で、儚いがゆえに何度も聴いてしまいます。

 

 

You are in my blood like holy wine

You taste so better and so sweet on

I could  drink a case of you dalring and I would still be on my feet

I would still be on my feet

 

"You are in my blood " を歌うところ、いつも聞き惚れてしまいます。

本当に綺麗。

 

思いを寄せる人をワインに喩えて、「あなたなら1ケース飲み干せるわ」っていう。

ユニークで面白い歌詞です。

 

そして1ケース飲んだとしても立っていられると。

恋の危うさみたいなものが酔っぱらって分別がつかない状態に置き換えて考えれるとしたらその危うさも飲み込んであなたと歩む覚悟があるのよと言っているように聞こえます。

 

彼女なら本当にこんなロマンチックな恋をしていたんだろうなと思います。

 

彼女は美術学校に通っていたのもあってか、アーティスト気質で非凡な才能を所々に感じる人です。

 

 


 

寺尾紗穂さんによる日本語訳詞でのカバー。

「楕円の夢」という素晴らしい曲で彼女のことは知ってはいましたが、このカバーは最近まで知りませんでした。

 

メロディーに乗せるためにやや省かれているところもありますが、日本語だとやっぱりストンと心のなかに落ちてじっくり味わうことができます。

訳詩を見ながら原曲を聴くのとはまた別の良さがあります。

 

なにより彼女のピアノと声がこの曲にピッタリ。

 

単語を発音したあとに、残り香みたいに音が少し残る感じ(伝われ…)がJoni Mitcell にすごく似ている気がするんです。

 

 

BLUE - mmm

 

 

VIDEOTAPEMUSICの今年の新作をきっかけにmmmを聴くようになりました。

 

この曲が大好きです。

濃いブルーに包まれてるようだけど、なんか安らぐ感じ。

雨の日の水族館みたい。

 

深い海の底から

見上げるばかりの春

 

誰かの幸せを、幸せでない自分が羨むような。

 

嫉妬だけでない、諦めも混じったような物憂げな様子。

 メロディーのせいかネガティブなイメージはなくて、あくまで生まれてきた感情をそのままに歌っているように聴こえます。

嫉妬や羨望を抱く自分を責めない。

 

翻訳業を生業としている彼女の使う言葉はとても魅力的に感じます。

 

西日に包まれて

泳ぐ愛おしい影

 

この人は今、海の底にいます。

海のなかに僅かながら差し込む光とその光が作る影を見ている?

 

目を閉じれば、海の中にいる気分になって、ゆらゆら動く水面の1/f 揺らぎに癒されるのは僕だけでないはず。

 

正しいことを教えて

頷くばかりの貝

 

不条理や嘘、表面だけ取り繕った違和感に戸惑う様子。

疑問を持たない周りの人たち(頷くばかりの貝)に抱く違和感。

 

そんなものをイメージします。

貝を単調な動作をみせるだけの比喩に持ってくるのが面白い。

こんなことを言ったら貝好きの人に怒られるだろうし、実際貝だって入水管と出水管を忙しく動かしているはずですけど。

 

 

共に生きよう my blue

抱きしめて 海辺で見上げるときは

皆きらめきを呼ぶ

 

間奏を挟んでの最後のバースから。

 「my blue」とは自分の心の陰というか、暗いネガティブな一面のことだと思います。

 

「共に生きよう」というのが好き。

二元性のこの世では、どちらかが欠けては他方もそのままではいられない。

どちらもバランスよく持ち合わせて生きていかなくちゃいけません。

 

「海辺」にたどり着いて、やっと輝きだした。

応援したくなる歌であり、応援してもらえる歌でもあります。