ランタナ- AL
この曲が纏う、淡い儚さのようなものが大好きです。
イントロの洒落てるドラムとギターと、綺麗なバックコーラスが病みつきです。
「淡い」っていう感覚はこの曲調から来るものかなあと思います。
八月に君を見た 夕立
あの日のまま変われない君のまなざし
メリーゴーランド メリーゴーランド
忘れたよね
君の好きだった あのランタナの影の中
この歌詞にでてくる「君」とはお姉さんのことなんでしょうか。
小山田さんのお姉さんである咲子さんのブログをまとめた、『えいやっ!と飛び出すあの一瞬を愛してる』という本の中に「ランタナ」という記事がありました。
お姉さんの好きな花で、ランタナについてこう綴っています。
花のつぼみはいつも前向き。未来しかない。
「あの日のまま変われない」の部分は「前を向けず、立ち止まったままでいる」と受け取ることができると思います。
お姉さんの記述と対照的な印象を受けます。
いろいろと考えを巡らしてしまいますが、小山田さんが誰かを想って歌う歌は本当に美しい。
この歌で初めてランタナを知りましたが、花たちがギュッと集まって咲いている姿は華やかで綺麗な花です。
「好きな花はランタナです。」とか言えたらちょっとカッコイイかも、、、なんて考えたりして。
メリーゴーランド メリーゴーランド
忘れたよね
君の好きだった あのメトロポリタンミュージアム
なぜメトロポリタンミュージアムが好きだったのか。
メトロポリタンミュージアムの大きな特徴の一つに、戦争の略奪品や戦利品が一点もないことがあります。
博物館というのは貴重な歴史的価値のあるものが並ぶ場所でもありますが、それらの中は、世界中から略奪されてきたものも沢山あるわけです。
そういった背景が頭をかすめて収蔵品を複雑な気持ちでながめると楽しもうにも楽しめない。
この観点から見ると、平和を愛するがゆえにメトロポリタンミュージアムが好きなんだろうと。
いつかは帰りたい あの夏の木漏れ日へ
メリーゴーランド メリーゴーランド
並んで歩いた 遠く続く道の上に
二人で積み上げた ケルンの先の空を
メリーゴーランド メリーゴーランド
僕はまだ変われずに追いかける
ALの曲はあくまでメンバーの共作ですが、この歌詞は小山田さんが書いたに違いないと思います。
小山田さんは曲によく地名を登場させます。この曲ではドイツの「ケルン」。
「空は藍色」にも出てくる「メトロポリタンミュージアム」が再登場したり。
でもヨーロッパの地名が出るのは意外です。
小山田さんはアジアにいる人って感じなので(笑)。
小山田さんのいくつかの歌には共通して「過去に戻れないことはわかっているが、それでもあの頃に戻りたいと願っている」という思いがこもっているのがわかります。
この純な気持ちに揺れ動かないわけがない。
この曲はまだ生で聴いたことがないので、いつか聴いてみたいです。