燃え殻 - 馬の骨(堀込泰行)
「スウィートソウル」に続いて、堀米泰行さんのラブソング。
馬の骨はキリンジ所属時代の堀米泰行のソロプロジェクトの名前です。
現在は本名で活動されています。
そむけた視線の
向こうへ何か糸口を
追いかけているんだ
別れ際の二人の視線のかけひき。
別れまいという思いとは裏腹に相手の思いはすれ違う。
もつれた2人を
風が置き去っていく
賑やかなこの広場に今日も
先ほど出た「糸口」に続いて、男女の二人を糸に喩えて「もつれた」という言葉をつかっているようです。
賑やかな周囲と比較して二人の間だけがまるで別の空間のように。
風さえも吹き抜けることなく、二人をおきざりにするような。
沈みだした 愛の燃え殻を
静かに見守るだけ
崩れ落ちないように
沈みだしたものを掬い上げようとはしないのはなぜか。
掬い上げて執着することで、台無しになってしまいそうな二人の思い出があるからでしょうか。
燃え尽き方の美学。
錆びついた街を君は塗り替えた
いつでも 物語のように
ここが一番好きな歌詞です。
MVは終始、灰色のトーンです。
思うにこれは燃え殻の灰色であり、「君」に塗り替えられる前の世界を表わした色でもあるんじゃないかな,,,と。
こんなに色気があって、ある種もう完璧に近いところに達したラブソングはなかなかないと思います。