カメレオンガール - キリンジ
イヤホンから流れてくるたびに相変わらず面白い歌だなと感心してしまう曲です。
こんなに歌詞が面白い曲は他に知りません。
単に面白いのではなくて凄く巧妙な面白さがある曲なんですよね。
君に 待ちぼうけをくらって
僕は カフェテラスの悲しいオブジェさ
この絵がすぐ頭の中に浮かんできて、ぷぷぷっと笑えてきます。
オブジェってことはショックで完全に固まってしまっているのか。。。
まだきっと交際が始まっているわけではない女性のようですね。
ただ彼女に待たされるだけなら「悲しい」とはならないですから。
デートに誘ってはみたけど、待ち合わせの時間に来てくれなかったら「すっぽかされたかな」と思って悲しくなりますもん。
心の穴に菓子パンをねじ込み
腹の虫の機嫌をとってるのさ
結局すっぽかされたんですかね。
ユーモアが溢れすぎている。
ぽっかり空いた心の穴の応急処置としては、やや弱いのでは?(笑)
待ちぼうけのせいでお腹がグウグウに空いてるのにも注目。
七色きらめく カメレオンガール
報われぬ僕のラブソング ハハハ
色褪せた男の背中に
君は夏の模様の 爪痕を残した
「ハハハ」と完全に自嘲モードに入っています。
「カメレオンガール」と「色褪せた男」の対比にはうなります。
落ち込んでる人って確かに顔色が悪かったりして「色褪せる」っていう表現は適格だし、華やかで人によってコロコロと態度を変えるのを「カメレオン」と例えるのは、
今まであったようでなかった表現ではないでしょうか。
君が憎いよ もしもパスポートが要るなら何をすればいい?
おもちゃも 赤いハイヒールも サファイアも ルージュも
あげたじゃないか Uhhh...
思いを寄せる人の心への通行手形を「パスポート」と比喩しているんですかね。
この例えだけでも面白いですが、そのあとに続く貢ぎ物の羅列で笑えてきます。
健気だなぁ。同情するよ。
この歌は泰行さん作ですが、これがノンフィクションだったら意外です。
時間をおいて聴くとまた別の発見があったりするので、キリンジは面白いです。