Life Is Party

NEW MUSIC , NEW LIFE

患難の世代 - イ・ラン

 

 

 


 

よくこの曲をSoundCloudで聴いていましたが、最近新たにレコーディングされたようで、ストリーミングが解禁されました。

 

「患難」は聞きなれない言葉ですが、「困難にあって悩み苦しむこと」だそうです。

このコロナ禍で色んな人がそれぞれの困難に直面しているかと思います。

 

その最中に改めてリリースされたことに、イ・ランからのメッセージを感じました。

 

悲しみと怒りと諦めの入り混じったような印象を抱きます。

戒めとかでなく、もう諦めてしまっている感じ。

 

また誰かが死んだみたいに泣いた
仁川空港でも 成田空港でも
泣くのはよそうとお互いしっかり約束しておいて 帰り道はずっと
いつまた会えるのか 何の約束もなく
ひょっとしたら今日以降はもう会えない
大切な私の友達たちよ みんなで同時に死んでしまおう
その時が来る前に まず先手を打ってしまおう

 

大切な人を失うのは人生で最も辛い困難の一つです。

残された人は愛した人の存在なしに生きていくことを強いられます。

 

想像するだけでも胸が痛みますが、その時は必ず来てしまいます。

僕もこんな風に思うことはあります。

 

どちらが取り残されて辛く、苦しい思いをするのならいっそのこと一緒に死んでしまいたい。

そう思えるくらい大切な人がいるというのはとても幸せなことなのですが。

 

私の時間が通り過ぎていくよ
この時間が過ぎ去るように
この世代も通り過ぎていくよ
全てが過ぎ去った後に
ようやく君は腹を立てるのかい
全てが過ぎ去った後に
ようやく君は悲しく泣くのかい

 

まだ20代前半ですが、すでに時間の過ぎていく感覚が早すぎる。

そう思う度、現在をしっかりと全うしなければと思います。

 

「全てが過ぎ去った後に ようやく君は腹を立てるのかい」

すごくグサッと刺さります。

「まあいいか」となあなあに、あらゆる事象に無反応でいたくせに、いざ自分に不利益が降りかかれば怒り出す。

 

色んな問題が提起されていますが、熱心にそれらに取り組むのはごく一部で、本当に事態が悪化するまで人々は動きません。

 

もう後の祭りだとわかった時に嘆きだすのです。

僕にも心当たりが沢山あります。

 

私たちが先に死んでしまえば
仕事をしなくてもよく
お金がなくてもよく
泣かなくてもよく
別れなくてもよく
会わなくてもよく
手紙を書かなくてもよく
メールを送らなくてもよく
メールを読まなくてもよく
首をくくらなくてもよく

水に溺れなくてもよく

手首を切らなくてもよく

薬を一度にものすごいたくさん飲まなくてもよく

一度にすっぱりみんな逝ってしまう 滅亡だから 

あああ ああ あああ ああ 最高 

あああ ああ あああ ああ すっきり

 

訳詩なので真意が伝わりづらいところもあると思うのですが、イ・ランの絶望を感じてしまいます。

 

自棄的な心情とも少し違うような気がしますが、何にしても聴いていて切なく、悲しい気持ちになります。

 

歌詞が歌詞なのでSoundCloudの少し明るめの曲調の方が好きです。

この辛い世を生きるには救いが必要です。