Life Is Party

NEW MUSIC , NEW LIFE

ニュータウン - キリンジ

 

4月になって新天地で新しい生活が始まる方も多いかなと思います。

 

僕も4回生になって研究室に入り、新しい生活が始まります。

この時期に聴くキリンジの大好きな曲がニュータウンです。

 


 

キリンジの1stフルアルバムから。

デビュー作ですが、とんでもない才覚を見せつけられる名盤です。

懐古厨なわけではないですが、最初の3作は僕のキリンジベストアルバムです。

 

キリンジの歌は本当に不思議な魅力に溢れてます。

語感の良さや発音の伸ばし方が絶妙で、耳が気持ちよくなります。

 

片仮名表記時代のキリンジは堀込兄弟によるユニットで、兄と弟の両方とも曲を書きます。

 

ニュータウン」は兄の高樹さん作。

 

弟の泰行さんがならば、お兄さんは理論派です。

キリンジでデビューする以前、お兄さんはnamcoゲーム音楽を作っていました。

下記リンクで当時のお仕事を聴くことができます。

 

キリンジの曲の元ネタと思われる曲たちが沢山あって、初めて見たときはかなり興奮しました。

 

歌詞で言うと、お兄さんはかなりエロティックな生々しい歌詞を書くこともあります。しかもそれを弟に歌わせるという...。

親に怒られたという逸話もあるくらい。

 

ニュータウンはそうでもないですが、それでも一筋縄ではいかない歌詞です。

肩に降る雨をまとう ひるがえす ひるがえす

言葉 言葉 言葉 言葉

シャツとコートが擦れ合う 振り返る 振り返る

君を 君を 君を 君を

 

雨降る中、すれ違う女性に一目ぼれ。

そんな展開でしょうか。

 

言葉のリズミカルな連呼で、出会いの高揚感が伝わってきます。

 

宇宙の木の実を 頬張る

むせかえす むせかえす

言葉 言葉 言葉 言葉

屋根から悪魔が落ちる つむじ風 たちまわる

二人 二人 二人 二人

 

ここの歌詞大好きです。

 

全然意味は分からないんですが。

「宇宙の木の実」とは...。

「屋根から悪魔が落ちる」なんて意味深すぎる。

 

都会の荒波にもまれる二人の描写?わからない。

 

キリンジはシリアスでえげつない事を、軽快に淡々と歌い上げているようなイメージがあります。

 

歌詞の最後には

燃えさしの太陽の沈む路地から

恋の終わりとも採れますし、沈みゆく日本の斜陽を歌っているようにも聞こえます。

 

何にしても単なるポップソングではないのがキリンジの面白い所なのかなと思います。

 

 

キリンジMr.Children並みにアルバム曲やB面が充実してるので、「エイリアンズ」だけ聴いて終わっちゃうのは本当に勿体ない。

 

YouTubeの何かの曲のコメント欄で「堀込兄弟が英語圏に生まれていたら、世界の華麗なるエンタメ界で脚光を浴びていただろうに」というニュアンスの書き込みがありました。

確かにそうだろうなぁと思います。

 

でも日本人としてはキリンジというバンドが日本にあったことが嬉しい。

それに、キリンジの良さはメロディは勿論、その「日本語」による豊かな詞の世界観です。

 

日本語圏に堀込兄弟が生まれていなかったら、そもそもこの音楽がなかったのだと思います。

ネイティブだからこそ汲み取れる細かい言葉のニュアンス。

日本に生まれた喜びの一つです。