The 1975の「Robbers」とGalileo Galileiの「ボニーとクライド」
先日のサマソニ大阪最終日、行ってきました。
初めての夏フェスでしたが、もしかしたら最初で最後の夏フェスになるかもしれません。
暑すぎてね…。
でもね。The 1975が素晴らしすぎたのでサマソニ行ってよかった。
ということで今日はThe 1975の楽曲について。
The 1975の「Robbers」という大好きな曲があるのですが、この曲で歌われているのは、実在したボニーとクライドという有名な強盗カップル。
映画「俺たちに明日はない」で題材となり、その壮絶な人生は広く知れ渡っています。
そして、この楽曲について書くうえでもう1曲、触れておきたい曲があります。
Galileo Galileiの「ボニーとクライド」です。
Galileo Galileiは過去に1975の「Chocolate」のカバーをYouTube上にアップしており、ボーカルの尾崎兄ちゃんが1975を好んでいることは確かなようです。
リリースはThe 1975のほうが先なので、インスパイアをうけて制作されたのが「ボニーとクライド」ではないでしょうか。
同じ「ボニーとクライド」を題材としながら、The 1975はややシリアス調の曲。一方のGalileo Galileiは楽しげな曲です。
そして明確に異なるのは前者が第三者による物語的な視点で歌われているのに対し、後者はボニー、つまり女性側の視点で歌われているところ。
そのせいもあってか、前者では「二人が互いにどう惹かれあっていたのか」というテーマを感じる一方、後者では駆け抜けてきた二人の生きざまを振り返るような、そんな曲なのかなと思います。
それぞれの曲で印象的な歌詞を挙げます。
Now if you never shoot, you`ll never know
And if you never eat, you`ll never grow
二人が離れるべきか。しかし離れたところで自分たちに未来はないのだと悟っているのでしょうか。
二人の関係を象徴するような歌詞です。
共依存なんて言葉はありますが、この言葉はなんとなくこの二人には似つかわしくない。
冒頭でも
God only knows but you`ll never leave her
とあるように、神様から授かった運命のもと二人は一つになったんだと。
「ボニーとクライド」の印象的な歌詞は冒頭部分。
通りは真っ暗だった
私たちの家以外全部
プールに札束まいて
ゼリーの枕であなたを叩く
壊れて壊れてやった
本当の二人がどんな逃亡生活を送っていたのか。
それは想像でしかないのですが、さぞ壮絶だったろうな。
盗みのために何人も人を殺した日々を楽しくも狂気的に描いているように感じます。
そして、終盤では二曲とも二人の最期を描いています。
It`s much harder now the police have come
And I`ll shoot him if it`s what you ask
But if you just take off your mask
You`d find out everyting`s gone wrong
Now everybody`s dead
悪魔と杯交わすたびに
暗く短く翳りゆく夜
あなたの車に乗って逃げ出して
後部座席に寝転んで見上げた窓
流れてはしゃぐ高速の光
薄目でみながら言葉を探していた
もう戻れない、取り消せないと私に怒鳴り
責めているんだと感じたけど
そんなのわかってる 自分の生き方だったんだ
仲間たちを次々に失っていき、警察の激しい追跡のなか、二人は何を思っていたのか。
どちらの楽曲とも最期の瞬間までは描いていませんが、二人の生きざまを題材にした歌として注目し、比較してみるとなかなか面白いです。
ちなみに「Robbers」の最後で
You look so cool
という歌詞がありますが、「cool」の部分は「cold」と歌っているようにも聞えます。
マシューは絶対ダブルミーニングを意識して「cool」という単語を用いたんだと思いますが、表立ってバッドエンドにすることはしなかったのかなと思います。
あくまで数奇な人生のもと寄り添いあう二人を描きたかったはずですし。
あと最後に。
「ボニーとクライド」のremix ver.がGalileo Galileiのラストアルバムに収録されているのですが、個人的にはそちらをオススメします。
パワーアップしているので。
長くなってしまった。
どちらも大好きな曲です。