Life Is Party

NEW MUSIC , NEW LIFE

進水式 - KIRINJI

新学期や何かの始まり、大事なときに思い出したように聴く曲です。

 

 

弟の脱退後の新生キリンジの誓いの曲だと思います。

超名曲。

 

ためらわずロープを切って 海に放っておくれよ

新しい船を 見慣れぬ船

君の手でロープを切って そして名付けて欲しい

美しい船さ われらの船だ

鮮やかにテープよ 輝け 特別な日だから

 

新しい船、見慣れぬ船はまさに結成したばかりの新生キリンジのことですよね。

お兄さんの声はすごい優しい、癒される声です。

「特別な日だから」と最後に付け加えるのが好き。

 

 

金色のコンパス  見ろ ぴしゃりと北を指ししめす

 

「ぴしゃり」というちょっと可愛い擬音。

船をテーマにした歌だけあって、コンパスが登場。

レーダーとかGPSでなくアナログなコンパスをチョイスするのはいいですね。

 

波は静かで  海は空よりずっと青い青  

晴れ渡った  嵐は去った  僕の髪も短い

美しい船が  われらの船だ  不可思議な世界を探ろう

必ず生きて還ろう    必ず生きて還ろう

 

 この曲で一番好きなところです。

「晴れ渡った、嵐は去った、僕の髪も短い」なんて旅に出る前の胸の高鳴りにピッタリ。

 

最後に「必ず生きて還ろう」と歌っていますが「帰」ではなく「還」を使っているのが印象的です。

「もと居た場所に帰る」という意味があるそうですが明確に「帰」と「還」で使い分けはないようです。

 

なんとなくですが、「帰」はどこか目的地があ家との直線的な往復を指して、「還」はぐるっと巡るような旅ののちに回るようにして戻ることを指す気がします。

 

だから船にはこっちの「還」が合うのかなと。

 

曲の良さは言わずもがな、言葉も巧みに操るのがキリンジの魅力です。

 

アルバム『EXTRA11』では、この曲のアコースティックver.ぽいリメイクが収録されています。

こっちもすごく良いので必聴です。

 

抱擁 - 折坂悠太

ここ数日の間、以前に増して折坂悠太にハマっています。

 

 

先日、『うたのゆくえ』に行ってきました。

特別な編成の折坂悠太(重奏)を見ることができました。

 

(合奏)よりもピアノやストリングスが多めで演奏はまろやかな感じでした。

『平成』からはもちろん、『たむけ』から「いぬふぐり」や「道」を歌ってくれました。

 

圧巻だったのはアンコールの「よるべ」。

今まで聴いたどんな「よるべ」よりも「寄る辺ない 在りし日の君」を表現していてるように思いました。

とても結成一週間くらいのバンドとは思えないクオリティ。

 

やっぱり生で目の当たりにするとその表現力に圧倒されました。

歌声は楽器のように様々な顔を見せ、オーリーの才能を再確認。

 

前置きはこの辺にして。

 

 

 

このライブの数日前に突然、配信限定でリリースされた「抱擁」。

 

抱擁

抱擁

  • 折坂悠太
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

レコーディングをしているとは聞いていましたが、まさか今度は配信限定でリリースされるとは。

 

 

本当に天才だと思うのですが。

 

日本語の語気とか響きの良さをオーリーの声が華麗に、最大限まで引き出していると思います。

この軽やかさは春の訪れにぴったり。

 

なかでもCメロが秀逸。

02:04 くらいから始まります。

耳がエクスタシスに到達しました。

 

 

公式の作品紹介では

「抱擁」はブラジル音楽を彷彿とさせる軽やかさとトランペットとフルートが彩りを添えるも、どこか翳りを残したリードナンバー

と書かれていました。

 

ほほう、ブラジル音楽とは、、、。

これまた国際色豊かです。


でもあの陽気な感じが確かにあります。

 

ワールドワイドに音楽を自分なりに落とし込んで日本語と融合させる。

僕のなかじゃもう折坂悠太はアルケミスト

 

 

以下で引用する歌詞は僕の耳を頼りにしたもので正確ではありません。

 

握る手は  生まれたままに  あたたかく拙い温度で

如何様にもとれる素振りで寄り添って  戸惑う腕の中

ひねもす波を見てる  好きになったあなたのこと

 

「如何様にも」とか「ひねもす」とか。オーリーらしい言葉えらび。

さわやかな恋したいなぁってしみじみ思います。

 

犬が鳴く  迫る重機の物音に  落ち着く(?)ようにと

悲しみはあれ(?)に活路を見出して  鋼鉄のドアの外  

草燃ゆ街を駆ける  忘れないでこんな日のこと

 

ここで、紹介文にもあった「翳り」が登場します。

「重機」は破壊のイメージをもつもの。

「鋼鉄」の冷たくて無機質なイメージ。

 

「坂道」に少しダブりました。

その角を曲がれば  細く暗い道にでる

いつかは会えるだろう  嘘みたいなそんな場所で

季節が耳打ちする 「俺たちに何を待つの」

締め切られたあの窓に 自由だと言い聞かせて

坂道を駆け降りる  この体に開かれた 

世界を置き去りに  鳥のように駆け降りる

 

 「坂道」はこの現代において先の見えない危うさから、この先に何を望むのか歌った曲です。

この面で、「抱擁」にも似たテーマがあるように思います。

 

 

「平成」で魅了されてしまって、もう1年くらいリリースがなくても余韻で楽しむことができたと思うのですが、早速天才的な曲を生み出してくれました。

 

本当に退屈しないです。

 

6/1 のライブが待ち遠しい!

 

 

夏が来た! - キャンディーズ

 

まさかキャンディーズの曲について書くとは自分でも驚きです。

 

 

この曲、なんだか少し文学的で驚きました。

 緑が空の青さに輝いて

部屋のカーテンと同じ色になっても

少し何かが違うのは  きっと生きてるからだろう

なんて考えて  なぜか君に会いたい

 

思いがけずこの曲に出会いましたが歌詞がすごく好きです。

絶妙に意味がわからないですが、なんだか共感できるんです。

 

「少し何かが違うのはきっと生きてるからだろう」なんて意味ありげに歌うのがアイドルソングらしからぬ歌詞に思えます。

昔のアイドルソングの歌詞ってなかなか興味深いのが多いです。

「君に会いたい」に「なぜか」とつけているのが心の気まぐれな感じを表していている気がしていいです。

 

砂の上に髪を広げて  寝転んで夢をみて

こんな不思議な出来事があっていいものかと思うくらい

幸せな雲が風に踊るよ

 

「幸せはなんでもないことなのかもしれないなぁ」なんて考えてしまいました。

「雲が風に踊る」ってユーモアあります。

 

こんな風に繊細で素敵な歌詞の曲をあんなふうにポップに仕上げて大衆的ヒットソングにしてしまうのが面白いです。

 

この曲の作詞作曲者は穂口雄右さん。

調べてみたらキャンディーズの「年下の男の子」とか「春一番」、あとは郷ひろみの「林檎殺人事件」なども作られている方でした。

「林檎殺人事件」好きなんですよね。

 

素晴らしいソングライターさんだ…。

 

ちなみに、この曲はオーリーのカバーで知りました。

 

この表現力はやはり只者ではないなと思います。

こちらのほうが「夏が来た!」のオリジナルだと言われているほうがしっくりきます(笑)。

 

 

『Up in the Air』サウンドトラック

 "Up in the Air" という映画のサントラかなり好きなんです。

 

ジョージクルーニー主演で、邦題は『マイレージ、マイライフ』です。

 

ジョージクルーニー演じる主人公は解雇通達人で全米を飛行機で飛び回ります。

マイレージオタクです。

人間関係とか自分の居場所について少し考える映画だったと記憶しています。

見たのは3年前くらい…。

 

映画については簡単にここまで。

 

 

この映画が大好きかと聞かれれば「好き」くらいですが、このサントラは大好きです。

 

好きなナンバーは

3. 6:00 Goin' Home / Dan Auerbach

5. 13:31 Help Yourself / Sad Brad Smith

9. 28:35 Be Yourself / Graham Nash

10.  31:33 The Snow Before Us / Charles Atlas

 

このなかでも特に好きなのは "Goin' Home" 。

 

ダントツでいいです。

海外旅行に行ったときの帰りの便のなかでいつもこの曲を聴きます。

 

「ふーっ、家帰るか…」っていう気持ちになります。

家が恋しくなる帰郷ソングです。

 

 

あとは "Help Yoursef"も。

 

この曲はとても耳障りがいい。

歌えたら気持ちいいなと思ってこの動画は何度も見倒しました。

 

I want you to try to help yourself

 

“Help Yourself ”って「ご自由にどうぞ」みたいな意味だと思うんですが、この歌は

「もっと自分の人生を生きなよ、他人のためじゃなくて」っていうメッセージソングっぽいです。

なかなか良いこと言うじゃないですか…。

 

ナイスなフォークソングです。

 

 

映画のサントラはなかなか「これ最高!」ってなるものが少ないですが本当にこの映画のサントラは大好きです。

 

アタタカイ雨 - 富田ラボ

なんだか日中はポカポカ暖かくなってきました。

 

春の陽気の中、ふと頭に流れてきて思い出した曲です。

 

 

富田ラボはキリンジを聴いていたころに自然と聴くようになりました。

 

勝手に思い出しておいて何なんですが、少しさびしさの残る曲です。

別れの季節でもある春には合ってはいますが、僕はどうやらセンチな気分になるのが好きなようです。

 

featuring ママレード・ラグの田中さん。

男でも惚れるイケメンぶり。そして歌もしっかり上手い。

スイートボイスでなめらか歌い方なのでウットリしてしまいます。

 

大好きだと君が笑う

そんな日々を僕は信じた

 

この「君」の歌い方が大好きです。クセすごい。

 

本当を言うと いつだって変わらなく

永遠なら 手を伸ばせばすぐ傍に 息をひそめている

わかってたよ

 

 最後の「わかってたよ」が物語る切なさ。

永遠は手を「伸ばせば」すぐそばにひそんでいる、と。

あくまでも息をひそめているだけで、手を伸ばしたところで永遠は手に入るかわからないってことでもある。

 

「望んだところでね…」っていう諦めのこもった「わかってたよ」なのかなと思います。

 

この歌詞を書かれたのは高橋幸宏さんという方。

この歌詞の魅力を最大限に引き出す富田ラボによるメロディーとアレンジ。

 

梅雨の季節にもまた聴くことになりそうです。

 

 

 

 

I shall be released - Bob Dylan

Bob Dylan かっけー!と勝手に盛り上げっているこの頃です。

 

 

Any day now, any day now,

I shall be released

 

 

この歌の歌詞の意味はなんとなく、「しがらみに縛られて上手く身動きができない状況や不条理な世界から、きっと解き放たれて自由になるのだ」というものと考えていました。

 

しかし、こちらの記事( http://tatakauoyaji.com/story/story_192.htm)を見つけて意外とそのままに訳すべきなのかも、、、と思ってしまいました。

背景知識があると確かにと納得せざるを得ません。

 

かといってこの訳がこの歌の全てだということはないでしょう。

Bob Dylan はこういった背景もからめて、聴き手が自然と「誰もが縛られることなく一人一人は独立していて自由な存在なんだ」と受け取れるような曲に仕立てたように思います。

 

ライブ映像をみても世界中の人に贈る普遍的なメッセージをもった歌だと感じますし。

 

ところで、このライブ映像のメンツすごい。

 

 

この歌のカバーは沢山ありますが、一番のお気に入りは Jeff Buckley のカバーです。

ギターの音色に色気があって気高い、かっこいいカバーです。

 

 

 

輝く飛行船 - AL

聴くたび、涙腺が刺激されるALの曲です。ALの曲で一番好き。

輝く飛行船

輝く飛行船

  • AL
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

この曲は小山田さんのソロ曲からバンドの曲になったそうです。

ノスタルジアの巨匠(個人的見解)である小山田壮平の屈指の名曲だと思います。

 

 

あの空に輝く飛行船を見たんだ

幼い心が見つめてた あの日

あの夢に優しい鐘の音を聴いたんだ

懐かしい父母の笑顔 許されていた頃の記憶

あれから…

 

僕も小学生の頃に3回くらい飛行船を見たことがあります。

いつもメットライフの飛行船でした。

もう何年もみていませんが。

 

この方のブログ  ↓

http://hand-maid.hatenablog.com/entry/2018/01/22/223255

には「さいころに輝く飛行船を見た記憶、それを夢で見て流れたものを元に作られた曲」という記述がありました。勉強になります。

 

見る夢が美しい…。

「許される」という言葉は小山田さんのブログでも見かけたことがあります。

この言葉は「ありのままの自分でいられる状況にいる」ということを指すのではないかなと思います。

 

「あれから…」と含みをもたせているところがなんとも…。

 

追いかけた君の影が霞んでいく

稲穂も風も 夏の朝も変わらないのに

 

こういう推察はあまり趣味のいいものではありませんが、「君」の指す人が姉の咲子さんであるとしたら、「帰郷したときに見る景色はかわらないものだけれど、君だけはいない」ということなのでしょうか。

 

どんなに悲しいときも 気づけば空を眺めてた 探してた

無常の世界の中を泳ぐ蛍に 誘われるように

 

「空」という言葉は小山田さんの曲では頻出ですね。

「無常の世界の中を泳ぐ蛍」がいまいちわからないのですがここからこの曲のクライマックスです。

「誘われるように」の唄い方が小山田さんならではで、毎回聴き惚れます。

 

メロディー こんなメロディー

瞳に浮かんだ涙の泉に差し込む木漏れ日に包まれて

あの空に輝く飛行船を見たんだ

 

いつもここでウルっとしてしまいます。

本当に唄い方が魅力的。

 「夢見るバンドワゴン」の歌詞に「空 いっぱいの空」や「雲 追いかける雲」に似た歌詞があります。小山田さんの作詞方法のようなものなのかも。

 

車窓をボーっと眺めているときにこの曲が不意に流れてくるともう完全にやられます。

センチメンタルな気分になって地元に帰りたくなるのです。

 

そろそろALのライブに見に行きたいな。